高次脳機能障害では、意思疎通能力、問題解決能力、作業負荷に対する持続力・持久力及び社会行動能力の4つの能力(以下4能力)のそれぞれの喪失の度合いを見て評価を行います。複数の障害が認められる時には、原則障害の度合いが一番重いものを見て評価します。
例:問題解決能力について第5級相当の後遺障害、社会行動能力について第7級相当の後遺障害、意思疎通能力について第9級相当の後遺障害が認められる時、一番重い問題解決能力の後遺障害の第5級の1の2として認定します。
※高次脳機能障害による後遺障害が第3級以上の場合は介護の必要性を踏まえて認定することになります。
高次脳機能障害は、脳の器質的病変に基づくものなので、MRIやCTなどによる測定が必要になります。また、神経心理学的な各種試験の結果だけで高次脳機能障害が認められないと判断することはなく、4能力の障害の度合いによって後遺障害等級を認定します。
※高次脳機能障害とは、認知・行為・記憶・思考・判断・言語・注意の特徴などが障害された状態であるとされていて、全般的な障害として意識障害や痴呆も含まれます。
※神経心理学的な各種テストなどの測定結果は臨床判定の際の有効な手段ですが、知能指数が高いにもかかわらず高次脳機能障害のために生活困難度が高い例もあります。
A:高次脳機能障害のため、生命維持に必要な身の回り処理の動作について、常に他人の介護を要するものは、第1級の3に当てはまります。下記の場合も当てはまります。
1.重薦な高次脳機能障害のため、食事・入浴・用便・更衣などに常時介護を要するもの
2.高次脳機能障害による高度の痴呆や情意の荒廃があるため常時監視を要するもの
B:高次脳機能障害のため、生命維持に必要な身の回り処理の動作について、随時介護を要するものは、第2級の2の2に当てはまります。下記の場合も当てはまります。
1.高薦な高次脳機能障害のため、食事・入浴・用便・更衣など、自宅内の日常生活動作は一応出来るが、1人で外出することが困難で、外出の際には他人の介護を必要とするため随時他人の介護を要するもの
2.高次脳機能障害による痴呆・情意の障害・幻覚・妄想・頻回の発作性意識障害などのため随時他人よる監視を必要とするもの
C:生命維持に必要な身の回り処理の動作は可能であるが、高次脳機能障害のため労務に服することができないものは第3級の3に当てはまります。下記の場合も当てはまります。
1.4能力のいずれか1つ以上の能力が全部失われているもの
2.4能力のいずれか2つ以上の能力の大部分が失われているもの
D:高次脳機能障害のため、極めて簡易な労務のほか服することができないものは第5級の1の2に当てはまります。下記の場合も当てはまります。
1.4能力のいずれか1つ以上の能力の大部分が失われているもの
2.4能力のいずれか2つ以上の能力の半分程度が失われているもの
E:高次脳機能障害のため、簡易な労務にしか服することができないものは第7級の3に当てはまります。下記の場合も当てはまります。
1.4能力のいずれか1つ以上の能力の半分程度が失われているもの
2.4能力のいずれか2つ以上の能力の相当程度が失われているもの
F:通常の労務に服することはできるが、高次脳機能障害のため、社会通念上、その就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるものは第9級の7の2に当てはまります。また、4能力いずれか1つ以上の能力の相当程度が失われているものも当てはまります。
G:通常の労務に服することはできるが、高次脳機能障害のため、多少の障害を残すものは第12級の12に当てはまります。また、4能力のいずれか1つ以上の能力が多少失われているものも当てはまります。
H:通常の労務に服することはできるが、高次脳機能障害のため、軽微な障害を残すものは第14級の9に当てはまります。MRIやCTなどによる他覚的所見は認められないものの、脳損傷のあることが医学的にみて合理的に推測できて、高次脳機能障害のためわずかな能力喪失が認められるものも当てはまります。
評価の仕方
高次脳機能障害は4能力に係る喪失の度合いによって評価を行います。
●意思疎通能力(記銘・記憶力・認知力・言語力など):職場において他人とのコミュニケーションを適切に行えるかどうかなどについて判定します。主に記銘・記憶力・認知力・言語力の判断
●問題解決能力(理解力・判断力など):作業課題に対する指示や要求水準を正確に理解し適切な判断を行い、円滑に業務ができるかどうかを判定します。主に理解力・判断力・集中力の判断
●作業負荷に対する持続力・持久力:一般的な就労時間に対処できるだけの能力が備わっているかについて判定します。精神面における意欲、気分や気分低下などによる疲労感や倦怠感を含めての判断
●社会行動能力(協調性など):職場において他人と円滑な共同作業、社会的行動ができるかどうかについて判定します。主に協調性の有無、不適切な行動の頻度についての判断
高次脳機能障害整理表
高次脳機能障害の後遺障害認定は、4能力に係る喪失の度合いに応じた認定基準に従って行います。ここでは高次脳機能障害整理表というものがあり、障害の度合い別に能力喪失の例を参考として示したものです。高次脳機能障害整理表の喪失の程度の欄と認定基準における労働能力の喪失の程度の関係は下記の通りになります。
A:多少の困難はあるが概ね自力でできるは能力をわずかに喪失(第14級の認定基準を参照)
B:困難はあるが概ね自力でできるは能力を多少喪失(第12級の認定基準を参照)
C:困難はあるが多少の援助があればできるは能力の相当程度を喪失(第9級の認定基準を参照)
D:困難はあるがかなりの援助があればできるは能力の半分程度を喪失(第7級の認定基準を参照)
E:困難が著しく大きいは能力の大部分を喪失(第5級の認定基準を参照)
F:できないは能力の全部を喪失(第3級の認定基準を参照)
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お尋ねいたします。車同士の衝突事故でエアーバックが開き顔面を強打し、入院二ヵ月後に歩行困難と感情失禁等でセカンドオピニオンで小脳損傷の疑いでMRIを撮り『左内頚動脈後交通動脈漏斗状拡大あり』入院130日目に口唇、鼻、舌が痺れを感じ嗅覚外来で嗅覚脱出味覚減退を認めました。
今日まで痺れがずーと続居ています。肉類が全て食べられません。橋、延髄の病変が否定できず又下記のとうりです。オニオンパール状の障害を指摘されて。3テスラのMRIで撮影しその後造影剤を使 用しての撮影で『橋』の障害が見つかりました。カルテ開示で
橋は横断像で腫大した様に見え、年齢の割にT2延長域(高信号)やFLAIR像での高信号域が目立ちます。
慢性虚血性変化としても不自然な印象です。可能であれば造影MRIや拡散強調画像を併せてご確認ください。椎骨、脳低動脈が蛇行し、橋左前方を圧排しています。
基底核、白質にFLAIR像での高信号域が散見されま
す。
慢性虚血性変化、微小梗塞巣と思われます。
C5/6,6/7で骨棘、椎間板、椎間間接の突出による背柱官、椎間孔狭窄が見られます。
[画像診断]
橋病変が否定出来ません。
椎骨、脳低動脈による脳幹の圧排
慢性虚血性変化、微小梗塞巣
頸椎性神経根症の疑い
造影剤使用時
前回と同様に橋は若干肥大している様に見えます。
微細なT2延長域(高信号)が複数見られます。
FLAIR像で高信号は指摘できません。
画像上は微小嚢胞の所見です。血管周囲腔が疑われます。
中脳の右寄に拡張強調像で異常信号が見られますが、ADCmapでは認識できず、他の断面の拡散強調画像でも認識できません。アーチファクトと思われます。
異常濃染は指摘できません。
活動性の炎症や腫瘤、急性期病変は否定的です。
基底核、白質に慢性虚血性変化、微小梗塞巣が散見されます。他の所見に変化はありません。
で現在は眩暈。締め付けられる頭痛、感情失禁、記憶障害短期が特に激しい、字が思い出せない、嗅覚脱出、味覚減退、両手両足
がジンジンと痺れコタツの中でもジンジンする。
確定診断がなされていないようなので、確定診断が必要です。
ただし、このような場合は症状の推移が重要です。
症状の原因が特定できない場合は、最低でもその症状が確かにあることの立証が必要となります。
その後RI検査で『3DSSP済』
特異的に血流の低下しているところは指摘できません。
しかし、統計画像では、前頭眼窩野や脳幹部など外傷で低下しやすい部位が低下しています。
直ぐには分からず当時は異常なし。でDRの転勤で次のDRに検査結果をプリントOUTで判りました。今は記憶障害に苦しんでいます。仕舞い忘れが激しいのです、又目眩耳鳴り等で日々苦しんでいます。嗅覚脱出、味覚減退のままです。両手両下肢がジンジンと痺れています。両ひざ両肘がチカチカと痛みます。宜しくご指導くださいませ。
症状が出たり出なかったり、強かったり弱かったりしていませんか?
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