自賠法16条2は、被害者が加害者から賠償金を受け取っている場合には、その受け取っている賠償金分については、被害者請求を拒否できると決めています。
2 被保険者が被害者に損害の賠償をした場合において、保険会社が被保険者に対してその損害をてん補したときは、保険会社は、そのてん補した金額の限度において、被害者に対する前項の支払の義務を免かれる。
3は、被害者請求によって直接被害者に支払った賠償金について、保険会社は被保険者に保険金を支払った事に出来ると規定しています。もちろん、被害者請求で保険会社が支払った金額は、被保険者が賠償したことになります。
3 第一項の規定により保険会社が被害者に対して損害賠償額の支払をしたときは、保険契約者又は被保険者の悪意によつて損害が生じた場合を除き、保険会社が、責任保険の契約に基づき被保険者に対して損害をてん補したものとみなす。
4は、加害者がわざと交通事故を発生させた場合には、本来、保険会社は支払いから逃れます。しかし、被害者請求が行われた場合には、賠償金を支払う義務があります。そして、この支払った賠償金は、本来、保険会社は支払わないものなので、保険会社から政府の補償事業に請求が出来るとされています。
4 保険会社は、保険契約者又は被保険者の悪意によつて損害が生じた場合において、第一項の規定により被害者に対して損害賠償額の支払をしたときは、その支払つた金額について、政府に対して補償を求めることができる。
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